ARISTOTLE 試験デザイン

試験デザイン

試験デザイン

実薬対照(ワルファリン)、無作為化、国際共同、二重盲検、ダブルダミー、並行群間比較試験

目的

脳卒中または全身性塞栓症の複合評価項目のワルファリンに対する非劣性の検証を主要目的とし、これが満たされた場合は優越性の検証が行われた(有効性の主要評価項目、安全性の主要評価項目、全死亡における優越性)。

対象

非弁膜症性の心房細動または心房粗動が確認され、脳卒中のリスク因子※1を1つ以上有する18歳以上の患者18,201例(日本人336例を含む;アピキサバン群9,120例、ワルファリン群9,081例)

方法

アピキサバン群(5mg 1日2回経口投与※2)またはワルファリン群(目標PT-INR※3の範囲を2.0 〜 3.0として用量を調節し、経口投与)に1:1の比率で無作為化割付した。

投与期間

試験全体:アピキサバン群1.71年、ワルファリン群1.68年(平均)
日本人症例(サブグループ解析):アピキサバン群2.00年、ワルファリン群1.75年(平均)

主要評価項目

有効性:脳卒中(虚血性、出血性、または特定不能)または全身性塞栓症の初発までの期間(非劣性・優越性)
安全性:大出血(ISTH基準) ※4の初発までの期間(優越性)

副次評価項目

有効性:全死亡、心筋梗塞の初発までの期間 など
安全性:大出血または臨床的に重要な非大出血の複合評価項目、小出血、骨折、標準的な臨床検査の異常値を含む他の有害事象

解析計画

有効性の主要評価項目について、アピキサバンのワルファリンに対する非劣性を検定した[非劣性マージン=1.38及び有意水準α=0.025(片側)ならびに非劣性マージン=1.44及び有意水準α=0.005(片側)、Cox比例ハザードモデル]。非劣性マージンを1.38とした非劣性が検証された場合、片側検定で有意水準をα=0.025として、以下の順に優越性を検討した(Cox比例ハザードモデル)。まず、有効性の主要評価項目の優越性を検定した。次に、有効性の主要評価項目の優越性が検証された場合、安全性の主要評価項目の優越性を検定した。安全性の主要評価項目の優越性が検証された場合、さらに有効性の副次評価項目[全死亡]の優越性を検定した。
また、背景因子別(年齢・体重・腎機能・人種・リスクスコア・脳卒中/TIA既往歴等)のサブグループ解析(Cox比例ハザードモデル)を行った。日本人部分集団については、治験実施計画書・統計解析計画書で計画した解析ではないものの、本邦での製造販売承認申請にあたって実施し、承認審査の過程で評価を受けた。

※1 ①75歳以上、②脳卒中、一過性脳虚血発作(TIA)、全身性塞栓症のいずれかの既往歴、③3ヵ月以内の症候性うっ血性心不全または左室駆出率(LVEF)40%以下の左室機能不全(心エコー検査、放射性核種心室造影法、血管造影による)、④糖尿病、⑤薬物治療を要する高血圧
※2 年齢80歳以上、体重60kg以下、血清クレアチニン1.5mg/dL以上の3項目のうち2項目以上を満たす患者は2.5mg 1日2回経口 投与。アピキサバン群に無作為化された被験者のうち、95.3%が5mg 1日2回、4.7%が2.5mg 1日2回投与された。
※3 プロトロンビン時間国際標準比率(PT-INR:Prothrombin Time-International Normalized Ratio)
日本人症例のワルファリン群において、70歳以上では、日本循環器学会のガイドラインを考慮し、PT-INR 2.0〜2.6を推奨していた。 日本人全体では国際基準(PT-INR 2.0〜3.0)で算出したTTR(time in therapeutic range:PT-INR治療域内時間)の中央値は 67.0%、平均値は62.9%、日本循環器学会ガイドライン(70歳以上でPT-INR 1.6〜2.6)で算出したTTRの中央値は69.9%であった。 全症例のTTRの中央値は66.0%、平均値は62.2%であった。
※4 大出血イベントの定義:国際血栓止血学会(ISTH)基準(詳細は、こちらの安全性の項目を参照

患者背景

ベースラインの脳卒中のリスク因子はアピキサバン群とワルファリン群で同様であり、試験全体(18,201例)の66.9%は、リスク因子を2つ以上有しており、19.4%に脳卒中、TIAまたは全身性塞栓症の既往歴が認められた。また、平均CHADS2スコアは両群ともに2.1であった。
日本人症例では、試験全体と比較して、男性の割合がやや高く、平均体重は軽かった。両投与群間に患者背景の差は認められず、平均CHADS2スコアは両群ともに2.0であった。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)(抜粋)
<非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制>
2.4 腎不全(クレアチニンクリアランス(CLcr)15mL/min未満)の患者[9.2.1参照]
6. 用法及び用量(抜粋)
非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
通常、成人にはアピキサバンとして1回5mgを1日2回経口投与する。なお、年齢、体重、腎機能に応じて、アピキサバンとして1回2.5mg 1日2回投与へ減量する。
7. 用法及び用量に関連する注意(抜粋)
<非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制>
7.1 次の基準の2つ以上に該当する患者は、出血のリスクが高く、本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、1回2.5mg 1日2回経口投与する。
[1.1、17.1.1参照]
・80歳以上[9.8参照] ・体重60kg以下 ・血清クレアチニン1.5mg/dL以上
9. 特定の背景を有する患者に関する注意(抜粋)
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.2 低体重の患者 出血の危険性が増大するおそれがある。[1.1参照]
9.2 腎機能障害患者
<非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制>
9.2.1 腎不全(CLcr 15mL/min未満)の患者 投与しないこと。腎不全(CLcr 15mL/min未満)の患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした
臨床試験は実施していない。[2.4参照]
9.2.2 腎障害(CLcr 15〜50mL/min)のある患者 出血の危険性が増大するおそれがある。[1.1参照]
9.8 高齢者一般に腎機能が低下し本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。非弁膜症性心房細動患者に対して本剤を投与する場合、特に80歳以上
の患者に対しては、腎機能低下(血清クレアチニン1.5mg/dL以上)及び体重(60kg以下)に応じて本剤を減量すること。[7.1、16.6.3参照]

承認時評価資料:Granger CB, et al.: N Engl J Med 365:981, 2011[EQB1-0017/L20110901083]
[利益相反]本試験は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社およびファイザー社のスポンサーシップのもと実施された。