投与中の注意事項

出血への対策

重大な副作用として、頭蓋内出血(頻度不明)、消化管出血(0.6%)、眼内出血(0.3%)等の出血があらわれることがあります。エリキュースの投与中は、出血や貧血等の徴候を十分に観察してください。また、必要に応じて、血算値(ヘモグロビン値)、便潜血等の検査を実施し、急激なヘモグロビン値や血圧の低下等の出血徴候を確認してください。
臨床的に問題となる出血や貧血の徴候が認められた場合には、本剤の投与を中止し、出血の原因を確認してください(出血の徴候の詳細は、p.31)。症状に応じて、適切な処置を行ってください。

製品添付文書 重要な基本的注意及び副作用より抜粋

  • 副作用発現頻度は、効能追加承認時までの国内臨床試験及び国際共同臨床試験の日本人患者の成績に基づき算出した。

注)国際共同臨床試験において副作用として特定された事象のうち海外においてのみ認められた副作用、又は自発報告からの副作用を頻度不明として記載した。

軽度の出血の場合

  • 止血処置
  • 安易に休薬することなく、適切な抗血栓療法の継続を考慮する

中等度~重度の出血の場合

  • 抗血栓薬の中止
  • 止血処置
  • 適切な点滴による循環動態の安定化
  • 脳内出血やくも膜下出血時は十分な降圧を図る

緊急の止血を要する場合 ※緊急時の是正法は確立していない。

(参考)
中等度~重度出血の対応に加えて、専門医の指示に従って下記を考慮する

  • 血中濃度がピークに達する前なら胃洗浄や活性炭を投与して薬剤の吸収を抑制する
  • 血液製剤や凝固因子製剤として第IX 因子複合体(保険適応外)、新鮮凍結血漿や遺伝子組み換え第VII因子製剤(保険適応外)の投与も考慮できる

循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2012年度合同研究班報告)
「心房細動治療(薬物)ガイドライン(2013年改訂版)」
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2013_inoue_h.pdf(2014年1月閲覧)より作成

手術時の対応

待機的手術・侵襲的手技を実施する患者さんでは、患者さんの出血リスクと血栓リスクに応じて、本剤の投与を一時中止してください。出血に関して低リスク又は出血が限定的でコントロール可能な手術・手技を実施する場合は、前回投与から24時間以上の間隔をあけることが望まれます。出血中~高リスク又は臨床的に重要な出血を起こすおそれのある手術・手技では、前回投与から48 時間以上の間隔をあけてください。必要に応じて代替療法(ヘパリン等)の使用を考慮してください。緊急を要する手術・手技では、緊急性と出血リスクが増大していることを十分に比較考慮してください。

製品添付文書 重要な基本的注意より抜粋

【警告】(抜粋)

<静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制>
脊椎・硬膜外麻酔あるいは腰椎穿刺等との併用により、穿刺部位に血腫が生じ、神経の圧迫による麻痺があらわれるおそれがある。静脈血栓塞栓症を発症した患者が、硬膜外カテーテル留置中、もしくは脊椎・硬膜外麻酔又は腰椎穿刺後日の浅い場合は、本剤の投与を控えること。

出血の徴候

エリキュースの投与中は出血の徴候を十分に観察してください。

患者指導のポイント

服用方法

  • 飲む直前にPTPシートから取り出して、水またはぬるま湯で服用してください。
  • 1日2回服用してください。エリキュース錠は、食前・食後どちらの服用も可能です。
    ただし、時間を決めて、毎日同じ時間帯に服用するようにご指導ください。
  • NVAFの場合、通常1回量は5mgですが、減量基準に該当する場合は、1回2.5mgになります。
  • VTEの場合、発症後の初期7日間における投与量は1回10mg1日2回、その後は1回5mg1日2回になります。
  • 服用に伴う食事の制限は特にありません(高血圧や糖尿病の治療のための食事制限は守るようにご指導ください)。

服用例:朝食と夕食時(食前・食後は問わず)

飲み忘れたときの対応法

エリキュース錠を服用し忘れた場合には、気づいたときにすぐに1回量を服用し、その後通常どおり1日2回服用します。服用し忘れた場合でも一度に2回量を服用しないよう、患者さんにご指導ください。

多く飲みすぎたとき

エリキュース錠の過量投与により、出血リスクが増大します。血液透析による除去は有効ではなく、本剤の抗凝固作用を中和する薬剤はありません。出血の徴候が認められた場合には、適切な処置を行ってください。また、活性炭による処置を考慮してください。出血した場合には、症状に応じて外科的止血や新鮮凍結血漿の輸注等も考慮してください。

製品添付文書 過量投与

患者・家族向け

エリキュースを服用される患者さんやご家族の方に対して、投与前に必ず本剤の有効性や安全性について十分に説明し、投与を開始してください。

エリキュースの投与を適切かつ安全に行っていただくために、各種資材をご用意していますので、ご活用ください。

抗凝固療法は継続することが重要ですので、出血などの副作用について説明を行ったうえで、患者さんをご指導ください。