2020年3月に不整脈薬物治療ガイドライン(2020年改訂版)が発行され、DOACの用法用量について、日本人における用量設定の妥当性を検討するエビデンスの必要性に触れられています1)。本コンテンツでは、エリキュースの75歳以上の日本人心房細動患者を対象とした臨床試験「J-ELD AF試験」についてご紹介します。

1)日本循環器学会/日本不整脈心電学会合同ガイドライン「不整脈薬物治療ガイドライン(2020年改訂版)」(2020年3月更新)p53,54
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2020_Ono.pdf(2020年3月13日閲覧)

Point1

75歳以上の日本人3,000例を超えるエリキュースのリアルワールドエビデンス

はじめにJ-ELD AF Registryの試験デザインをご紹介します。
本試験は、日本人高齢心房細動(AF)患者の実地臨床におけるエリキュースの有効性と安全性を検討する目的で行われました。
国内の110施設から、75歳以上の非弁膜症性心房細動患者3,031例が登録されました。エリキュースの投与量は、減量基準に基づき、5mg1日2回投与または2.5mg1日2回投与となっています。主要評価項目は「脳卒中または全身性塞栓症」および「入院を要する出血」でした。

J-ELD AF Registryの試験概要

次に、患者背景(一部抜粋)です。
通常用量の5mg投与症例は1,284例で全体の42.4%、2.5mg投与症例は1,747例で57.6%でした。

患者背景①

主要評価項目の結果をお示しいたします。
脳卒中または全身性塞栓症の発現率は5mg投与群1.67/100人・年、2.5mg投与群1.56/100人・年でした(p=0.813、Log-rank検定)。
入院を要する出血の発現率は5mg投与群1.42/100人・年、2.5mg投与群2.25/100人・年でした(p=0.141、Log-rank検定)。
このように、エリキュースの減量基準を順守した場合の有効性と安全性は、通常用量と低用量間で有意差がなかったことが、日本人75歳以上のAF患者において示されました。

累積イベント発生率[主要評価項目](脳卒中または全身性)塞栓症/入院を要する出血)
Point2

RCTにおけるエリキュースの優越性の検証

エリキュースのRCT、ARISTOTLE試験における有効性・安全性についてもご紹介します。
ARISTOTLE試験では、非弁膜症性心房細動患者を対象にエリキュースの脳卒中/全身性塞栓症の抑制効果をワルファリンと比較検討しました。

ARISTOTLE試験の試験デザイン①(国際共同第Ⅲ相試験)
ARISTOTLE試験の試験デザイン②(国際共同第Ⅲ相試験)
脳卒中または全身性塞栓症の発症率/大出血の発現率(国際共同第Ⅲ相試験)

脳卒中/全身性塞栓症の発症率は、エリキュース群1.27%/年(212/9,120例)、ワルファリン群1.60%/年(265/9,081例)であり、相対リスクの減少率は21%でした。また、エリキュースのワルファリンに対する非劣性(p<0.0001、層別Cox比例ハザードモデル)および優越性(p<0.0114、層別Cox比例ハザードモデル)が検証されました。
出血性イベント(ISTH基準の大出血)の発現率は、エリキュース群2.13%/年(327/9,088例)、ワルファリン群3.09%/年(462/9,052例)で、相対リスクの減少率は31%となり、エリキュースのワルファリンに対する優越性(p<0.0001、層別Cox比例ハザードモデル)が検証されました。

ARISTOTLE試験の副作用(国際共同第Ⅲ相試験)

エリキュースの安全性は、ARISTOTLE試験における副作用をご参照ください。

本コンテンツでは、日本人に対する用量設定の妥当性を検討した観察研究である
J-ELD AF試験とエリキュースのRCTであるARISTOTLE試験の有効性および
安全性について、発現頻度を中心にご紹介しました。
本試験結果が先生方の日常診療の一助となれば幸いです。

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